とある物語をテーマにした、オーダーメイドのリング。これまで愛用していたジュエリーや、おばあ様から譲り受けたジュエリー、片耳だけになってしまったサファイアや、パールのネックレスを短くしたときに残った2粒の穴あきパール・・・その一つ一つに様々な用途があったように、普通だったらこれはネックレスに、これは使うのは難しい石、なんてゆう既成概念をがあるものですが、それを全部とりはらうプロジェクトです。穴があいてたって、すこしクラックがあったって、そんなことよりも、このどこへ行っても話題をさらう、注目まちがいなしの個性派リングには、大した問題ではありませんでした。お預かりした石を組み合わせていくうちに、赤い木の実と葉っぱがうまれ、それはもしかしたら禁断の果実という物語を追っていけるのではというお客様の素晴らしいひらめきをいただき、ダイヤをこれでもかとまとった蛇、いちじくの葉、実、モチーフが次々と登場することに。すべてのモチーフ、石、パール、をどうやって一つのリングへとまとめていくかが大問題です。それはあまりに複雑な立体のため、そのほとんどをデザイナーと職人にお任せいただき、ある程度型が完成したところで、お客様にご覧いただきました。何度かの修正を経て完成したこのリング。それはもう、ひとつの物語が詰まった特別重厚なリングになったのでした。